一般財団法人 飛騨福来心理学研究所

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六次元弁証法

真理に矛盾はない。宇宙の統一原理を発見すれば矛盾神秘は解けるのです。
この矛盾のない奥の真理を発見する道筋を六次元弁証法と言います。

 

つまり、4つの見方を平等に認めて真ん中の六次元の空の真理に肉迫するが、次の躍動の為に迷いが起こり、また4つの窓のどれかに執着し、再び4つが止揚されて高度の真理に迫り、これを繰り返して真理に融合していくのです。(動画はイメージアニメ)

六次元論の図式化

空間、時間、エネルギー、志向 は存在の形式であり、認識の窓である。
真理は空間、時間、エネルギー、志向の四つを統合したところにあり、それを山本健造は六次元の空(くう)と名づけた。
我々人類は真理を空間、時間、エネルギー、志向の四つの窓から認識する。

 

(福来記念・山本資料館から引用)

六次元論のヒントを得る

福来友吉博士の発見された念写を合理的に説明できる原理が発見されたら現在の理論物理学は書き改められて、その奥にある物心一如の宇宙統一原理がわかってくるはずだと山本健造博士は考えました。

 

この超心理現象を科学する立場を探るために福来博士の論文の外、ベルグソンの生命哲学、アインシュタインの相対性原理、ミンコフスキーの四次元空間、へーゲルや、マルクスの弁証法、理論物理学、心理学などが興味の中心となり農作業即思索の生活が続き、相矛盾するこれらの学問を統一する原理を探し求めました。

 

そして透視や念写、精神エネルギー感応治療、精神エネルギーの物質化、以心伝心、物質の空化瞬間移動等の現象を神秘として三拝九拝するのでなくて、それを科学的に解明し、その精神エネルギーを自由自在に誰でも活用できるようにするには宇宙の実相を直観し新しい法則を発見せねばなりません。
このためには諸科学を指導し総合する弁証法が必要なのです。

 

山本健造博士は少年の頃、この問題について真剣に考えました。
そして長い間の思案の結果、水田のあぜぬり作業中、考えがまとまってきました。

 

「自分は今、何か思いつつある。そして自分は一定の空間の中にあり、肉体を具えていることは自明の真理である。」
肉体は物質であり、物質はエネルギーに還元されうるものであるから、この言葉を煎じ詰めれば

 

我は今、空間の中で思いつつエネルギーを持っている」となります。
更に煎じ詰めれば「我時空の中に思い力を有する」となり、更に煎じ詰めてゆくと、「空間や時間、思う、力の四つの存在の条件はバラバラのものではなくて、我の中では渾然と融合した生命である」と考え、更に煎じ詰めてきました。

 

その時、「空間と時間の融合境に意識が融けこめばエネルギーとなり、反対にエネルギーが融けこめば意識があらわれる」という言葉がロをついて出てきました。

 

「そうだ、これだ!宇宙の本体は生命だ!唯心論も唯物論も間違いだ!物心未分化の生命が宇宙の本体だ!」と悟りました。

 

時は昭和6年(1931年)5月28日、満18歳7ケ月、この日は私にとっては永遠に忘れ得ぬ日です。
水田で黙々鍬を振り続け、夕陽が日本アルプスの雪を紅に染める頃、頭はスウと澄み、額は冷たく爽快な気分になりました。
暫くすると、私の心がハスカイに切られたように感じた瞬間!六次元弁証法の原理が閃いたのです。

 

私の胸から頭へジンと熱いものが走り、喜びの涙が胸にこみ上げ、赤い夕陽に合掌して、とめどもなく流れる熱い涙をそのままに立ちつくしました。
一切のものは生きているように思え、帰る路傍の名も知らぬ小さな花、薄暗く消えゆく大地、はるかなる日本アルプスの峰、すべてが宇宙大生命の顕現として無尽荘厳されて、私に語りかけてくるように思えました。

 

なぜ六次元と言うかと申しますと、縦、横、高さの三次元空間に時間を乗じて四次元となります。
アインシュタインの相対性原理はこの四次元空間の中に組み立てられました。
この世界観では透視や念写等の神秘はとけません。

 

四次元空間にエネルギーと志向を乗じて六次元空間として直観するとき神秘を解く鍵が得られるのです。
この鍵を悟れば誰でも少しの練習で神秘と思われていた世界を自由に体験できます。

 

山本健造著『六次元弁証法』福来出版 P33~35参照

山本健造博士が考えた六次元グラフ

宇宙の真理は、空(クウ)と現象点が一体なのです。
現象点を色(しき)と呼べば、釈迦の説かれた色即是空、空即是色の意味が分かります。 

山本健造著『六次元弁証法』福来出版

山本健造著『六次元弁証法』福来出版

その時考えた六次元グラフ

① 五次元以下では神秘は解けない
この大宇宙にひろがる森羅万象は単に三次元の空間の中に広がるだけでなく時間の中に押し流されています。
時間自身も空間自身も物理現象を整頓する側面観に過ぎないと考えるのがミンコフスキーの四次元空間です。
アインシュタインの相対性原理やハイゼンベルクの量子論の立場はこの立場でハイゼンベルクの立場を五次元と呼んでもよいかも知れません。
これらの立場では透視や念写、テ
レパシーは神秘のままです。

 

② 六次元グラフについて
時間と空間の融合した四次元空間にエネルギーとその方向(生物では志向)を融合させた六次元の立場で考えてゆくのです。
次の六次元グラフでわかる通り空間線も時間線もエネルギー線も空の原点から出発しています。
志向線も原点に中心をおいていますから原点から出発しています。

 

①六次元グラフは宇宙統一の原理の縮図である。
②原点(空=クウ)は空間線も、時間線もエネルギー線も、志向線も未だ発せず、満を持している状態である。
③空(原点)を中心にして各線は現象界に派出している。
④現象点は空間線、時間線、エネルギー線、志向線の交差点である。
⑤宇宙の森羅万象(物も心も)は現象点の位置にある。
⑥各線は平等の資格を持ち、優劣、前後もなく従って各線の間に因果関係はない。
⑦現象しているものはただ物だけであると考えるのは唯心傾向にある宗教者に多い。
⑧心の中に起こる感知、認知、直観や喜怒哀楽、その他の心理作用は物と等しく、空間、時間、エネルギー、志向の存在形式を備えているのであるから、物と対等の存在である。
⑨存在形式は全く同じでも、波動が渦巻いていて粒子となると物となり、自由な波動は意識となる違いだけとなる。
⑩だから心が物を動かし、物は心を動かす。
⑪心の中に起こった観念を焦点化して乾板に送れば念写が起こると共に、身体に必要な栄養物を摂取すれば心は明るく健康となる、心身は相関の原理に従う。心も物も同格である。
⑫「物質は波動だからなし」という考えから、唯心論になって、薬物を服用する事まで否定する宗教さえあるのは驚くべきである。

 

③ 現象点には物心両界が位置する
この四つの各線の交錯点を現象点と呼ぶことにしています。
この現象点とはこの宇宙の中にある現象の総てのものの哲学的位置を示す点です。
この現象点には形の直ぐ見える物ばかりでなくて、心の喜怒哀楽の心理作用から、透視や念写、テレパシーの作用を起す超心理作用も、この現象点にあると見るのです。
六次元的世界観では、空間自身、時間自身、或いはエネルギー自身、志向自身は、実在の四つの側面観に過ぎないもので、この四つは物理世界、哲学世界を整理し装う衣の四つの姿に過ぎないのです。

 

④ 物も心も六次元存在形式をもつ
ですから物も、心も現象ですから空、時、エネルギー、志向の存在形式(存在権)をもっているのです。
物はエネルギーが機械的に動き、心はエネルギーが目的々に動く差があるのみです。

 

⑤ 心は六次元認識形式を持つ
心は空間、時間、エネルギー、志向の認識の形式を持っています。
実例を示せば矢が我
が身に近いか当るかそれるか、その矢が何時とんで来るか、その矢の強さはどのくらいか、矢の方向はどちらから来るかの四つの窓で認識して行動するのです。

 

山本健造著『六次元弁証法』福来出版 P36~P40引用